Bell Performing Arts Centre(6250 - 144th Street, Surrey, BC)で11月27日、2010年バンクーバー冬季オリンピックの公式マスコットが発表された。会場には、地元小学生800人以上が招待され、世界で最初に直接対面したマスコットたちの姿に大きな歓声を上げた。
発表されたマスコットは、オルカ(=シャチ)と白熊を基にした「Miga(ミーガ)」、北米ロッキー山脈で目撃される未確認動物サスクワッチ(=ビッグフット、先住民の言葉で「毛深い巨人」の意味)の「Quatchi(クワッチ)」、サンダーバード(北米先住民の伝説や神話に登場する想像上の鳥)の羽と熊の足を持ち、オルカの帽子をかぶった「Sumi(スーミ)」の3種類。ステージには登場しなかったが、マスコットの仲間で、マーモット(リスに似た小動物)の「Mukmuk(マックマック)」もアニメーションで数秒間現れた。
マスコット発表イベントはアニメーション、ダンス、歌と盛りだくさんの内容で、35分間のショーがステージ上で繰り広げられた。英語とフランス語の2カ国語で3人の子どもたちが司会を務め、会場の子どもたちも声をそろえて「2010(Twenty Ten)」とかけ声をかけたり、ウェーブを作ったりしてショーに参加。マスコットの人形が順に登場するたびに大きな拍手が起こり、会場全体が興奮に包まれた。
マスコットたちは、今後2010年のオリンピック開始まであらゆるイベントでオリンピック大使として登場し、オリンピック開催時には世界中から集まる参加選手たちや観光客を温かく迎える。
マスコットのデザインを担当したのは、バンクーバーを拠点とするデザイン会社「Meomi Design」のVicki Wong(ヴィッキー・ウォン)さんとMichael Murphy(マイケル・マーフィー)さん。世界中から集まった177件の応募作品の中から昨年12月に選ばれた。「先住民の神話に出てくるキャラクターにヒントを得て、カナダの子どもたちだけでなく世界中の人たちに好まれる『楽しい、かわいい、フレンドリー』なイメージを心がけて作り上げた」(Vickiさん)。
Vancouver Organizing Committee for the 2010 Olympic and Paralympic Winter Games (VANOC、バンクーバーオリンピック委員会)のジョン・ファーロン最高経営責任者は「オリンピックマスコットはこれからオリンピック開催に向けて、特に子どもたちにかわいがってもらえるアイコンであると同時に、カナダという国について歴史的、文化的情報や土地柄を世界に知らせるシンボルにもなる」と話し、「マスコットを通じて子どもたちがオリンピックやパラリンピックに対する理解を深め、子どもも大人も一緒になって興奮や感動、笑いを分かち合えたら」と期待を寄せる。
イベントに参加した小学生のひとりは「カナダに関係するいろいろな動物を組み合わせているところが面白いと思った。日本のマンガのキャラクターみたいでとてもかわいいので、遠くに住んでいる親せきや友だちにお土産とかクリスマスプレゼントにしたい。今から2010年のオリンピックが待ち遠しい」と、興奮に目を輝かせた。
マスコットに関する情報は、同イベント開始後インターネットでも同時にカナダ全土、世界中にも発信された。翌日28日から、BayやZellersなどのデパート・小売店でマスコット人形の発売が始まっている。
バンクーバー冬季オリンピックの開催は2010年2月12日~28日、パラリンピックは3月12日~21日。