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カナダから日本へ、キルトで応援メッセージ-子どもたちの心をつなぐプロジェクト

カナダのEllaちゃん(6歳)が日本の子どもたちへ思いを込めて作ったキルトピース

カナダのEllaちゃん(6歳)が日本の子どもたちへ思いを込めて作ったキルトピース

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 バンクーバー在住の日系映画監督Linda Ohamaさんが発案したキルトプロジェクト「Kids for Kids」がカナダ全土の子どもたちからの反響を得て、完成に向け着々と進んでいる。

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 同プロジェクトは「今回の震災で多くのものを失ってしまった東北地方の若者たちに、カナダの子どもたちが心を込めて作ったキルトの作品を通して、友情や絆のようなものを感じ取ってもらいたい」というLindaさんの強い思いから始まった。

 「幼少期にアルバータ州南部の農村で育ったり、現在1年のうち約半分は日本の海沿いの小さな町で過ごしたりしているため、今回特に大きな被害を受けた漁村や農村の状況をニュースで見て、とても人ごととは思えなかった」と振り返るLindaさん。「言葉は違っても、絵や色合いで気持ちを表現し理解し合うことができる。遠くからでも日本のことをいつでも思っていることを伝え、未来への希望のエネルギーになれば」とも。

 10インチ四方の生地(白いコットン生地が望ましい)に日本をイメージした絵やデザインを油性ペンや布用インクで描き、できれば刺しゅうを施したもの(ファーストネームと年齢、都市名も入れる)を自分の写真と一緒に送付する。「刺しゅうでなくても、ボタンやフェルト生地を縫い付けるなど、発想は自由」(Lindaさん)。

 集まったピースを合わせて一枚の大きな「キルトの手紙」を完成させ日本に送る。7月1日(カナダデー)、東北地方を皮切りに6カ月~1年の予定で日本各地を巡回展示する予定。日本ではまだ正式に展示に関する告知を行っていないにもかかわらず、インターネットなどで情報を得て、宮城県の高校などからすでに展示依頼が届いている。

 同プロジェクトについて参加を呼びかけ始めてから2カ月。バンクーバー周辺だけでなく、アルバータ州やオンタリオ州、サスカチュワン州、マニトバ州などからもコミュニティーや学校単位で作製したキルト計200枚以上が寄せられている。同プロジェクト用キルト作製のための特別ワークショップを開いている地元のクラフトスタジオも。

 「相手への思いやりの心は常に人の気持ちを癒やしてくれる。同世代からの言葉は、大人たちからの言葉よりも強く日本の子どもたちに響いてくれるはず」と目を潤ませるLindaさん。6月下旬に東北地方を訪れ、完成した「キルトの手紙」とともにカナダの子どもたちからのメッセージを伝えていく。

 作品送付の締め切りは5月31日。送り先などの詳細はサイトで確認できる。

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