サイモン・フレーザー大学(SFU)のダウンタウン・ハーバーセンターキャンパス(515 West Hastings Street, Vancouver)で3月11日、1年前に起きた福島原発事故とその影響について考えるカンファレンス「The Fukushima Nuclear Disaster ? One Year Later(福島放射能災害-あれから1年)」が開かれる。Physicians for Global Survival(グローバルサバイバル医師団)の主催。
同カンファレンス開催日を「Day of Inquiry(探求の日)」と位置付け、局地的、世界的に与えた健康への影響や、この1年間で明らかになった環境や経済へのインパクト、今後の改善策やさらなる事実解明に向けた解決策を考え、将来的なエネルギー問題における原子力発電の果たす役割を検証する。
当日は、福島県立医科大学の山下俊一教授、安村誠司教授がビデオ映像で講演するほか、SFUのKrzysztof Starosta教授が行った大学周辺でのヨウ素とセシウム線量の測定結果報告など、医療専門家らが一堂に会して、福島原発事故による放射能汚染に関する情報を共有するためのワークショップやパネルディスカッションを予定する。
SFU保健科学部のTim Takaro博士は「チェルノブイリ以来の最悪の原発事故。放射能汚染レベルの上昇については、事故発生当初、きちんと報告されていなかった」と話し、「福島についての情報は、こちらのメディアではほとんど伝えられなくなってしまい、危険性はなくなったかのように思われてしまうが、実際はまだ問題が解決しないまま継続している。海水中や空気中に放出された放射能量、食物の中の残留放射線量などについての信頼できるデータがない限り、自分たちが何十年後かに直面する可能性のある状況について予想することはできない」と訴える。
開催時間は9時~17時。参加費は、大人=25カナダドル、学生=10カナダドル。サイトで参加登録が必要。カンファレンス前夜(10日19時~21時)にはChris Noland監督のドキュメンタリー映画「Surviving Japan(生き残り日本)」のプレミア上映と監督への質疑応答も予定する(入場料は寄付)。