バンクーバー・ロブソン通りのBCプレース近くにオープンしたカップケーキ専門店「ManCakes Bakery Cafe」(288 Robson Street, Vancouver、TEL 604-721-7868)が、「男らしい味のカップケーキ」が食べられる店として人気を集めている。
オーナーは、Jeremy Wongさん、Geoff Hamiltonさん、Tyler Farstadさんの3人。2008年にチアリーディングを通じて知り合った3人は、チームメートのほとんどが女性のため練習中の差し入れにカップケーキなどの甘いものをもらうことが多かったが、「どれもこれも甘過ぎたり、かわい過ぎたりしてあまり好きではなく、ほとんど口にすることはなかった」(Jeremyさん)。「カップケーキは、ピンク色をしたかわいい飾りやごてごてのアイシングじゃなくてもいいはず。もっと男性受けするものを作ろう」と、さまざまな材料を使って試行錯誤を繰り返しながら、「新鮮」「ユニーク」「余計なものを使わない」をモットーにした「他のどこにもない味」の開発を続け、2011年12月にネット注文限定のビジネスとして立ち上げた。
その後2年弱の間に着実に顧客を増やし、ネットだけでは間に合わなくなったため、昨年10月21日に実店舗として同店を開いた。Jeremyさんは「実際に店頭でお客さんたちが、自分たちの作った商品を見て驚いたり、一口食べた瞬間に喜んだりする表情が見えるようになったのがうれしい。ダウンタウンの中心部という好立地や、SNSやブログなどで話題にしてもらったおかげで売り上げは週ごとにどんどん伸びている」と笑顔を見せる。
約600平方フィートの店内には16席を設け、白・黒・赤・シルバーを用いてモダンで落ち着いた「バーを思わせる空間」をつくり出す。工具棚をそのままカウンターに見立てて利用するなど、「男らしさ」も演出。「よそのカップケーキ専門店と比べて、かわいさ全開の雰囲気ではないので、男性でも気軽に入って来やすく、いったん中に入ったら自分たちが明るく声を掛けるので、さらにホッとしてもらえるはず」。半分は女性客で、「男性向けに考えた商品だが、女性ももちろん大歓迎。商品には全てアイシングで『M』の字を描いているが、逆さにしたらWomanの『W』になるので問題ない」とジョーク交じりで客層の広がりを喜ぶ。
メニューは、「バファロー・ウイング」「ラム・コーク」「テキーラ・パイナップル」「ベーコン・チリ・チョコレート」「ウイスキー・ライム」など、バニラベース、チョコベース、スパイスベース生地の11種と、期間限定のスペシャルフレーバー1種(今月中はバレンタイン・デーにちなみ、「レッド・ホット・バレンタイン」)を取りそろえる。人気トップ3は、キャラメルフィリングのバニラ生地にチェダーチーズ・バタークリームとキャラメルコーンをトッピングした「シカゴ」、マスカルポーネ・ムースと赤ワインのジュレを中に包み込み、バニラバタークリームとダークチョコレートで仕上げた「チョコレート・レッドワイン」、バナナクリーム・フィリングとマシュマロアイシングを施したチョコ生地の「キングコング」(1個=3.75カナダドル、2個=6.95カナダドル、6個=19.75カナダドル、ミニサイズ12個=19.75カナダドル)。
ドリンク類は、地元ロースター「49th Parallel Coffee」のコーヒーのほか、イギリスの紅茶ブランド「teapigs」を用意する。カナダではまだ同店でしか取り扱っていないNY発の「世界最強コーヒー『Death Wish Coffee』」は、「ぱっちり目を覚ましたい人にお薦め」(Jeremyさん)。オリジナルブレンドのフレーバー・コーヒーも近々登場する予定。
「パーティーなどに持って行くと、必ず会話のきっかけ作りに使えるので、ぜひ一度試してみて」と来店を呼び掛けるJeremyさん。「常に新しいフレーバー作りに取り組んでいるので、アイデアのある人はどんどん出してもらいたい」とも。ビジネス拡大を目指して現在、クラウドファンディングを利用し、キッチンスペースの拡大や店舗数増加のための資金確保を目指している。
営業時間は、月曜~土曜=11時~20時、日曜=12時~18時。