2010年バンクーバー冬季オリンピック会場となるウィスラーで、五輪開幕までちょうど1年となる2月12日、VANOC(バンクーバーオリンピック委員会)が聖火リレー用トーチのデザインを発表した。トーチリレーに参加するランナーが着用するユニホームも同時に公開され、雪のちらつく会場は歓喜の声に包まれた。
白地に銀のラインが入った緩やかな曲線を描いたデザインは、「雪や氷の上に描かれた滑走跡」をイメージしたという。長さ94センチ、重さ約1.6キログラムで中央にオリンピックのロゴを配し、同五輪のモットー「With Glowing Hearts/Des plus brillants exploits(熱く燃える心で)」が刻まれている。
「持ちやすい」「カナダ国内の冬の厳しい天候にも対応できる」「走者間で聖火をスムーズに引き継げる」「聖火の炎がよく見える」などを考慮して、最低12分間は炎が消えることのないように設計。空気穴にはカナダを象徴するメープル・リーフをかたどるなど、あらゆる部分に「カナダ」を意識し、Bombardier社とVANOCが共同開発した。
当日、Jacques Rogge国際オリンピック委員会(IOC)会長、Gordon Campbellブリティッシュ・コロンビア(BC)州知事らが見守る中、最初の聖火ランナーに選ばれたPatricia MorenoさんとCaleb Taylorさんが揃ってトーチを掲げてステージまで走った。
VANOC最高経営責任者のJohn Furlongさんは「今日はカナダにとって特別な1日。この日が来るのを心待ちにしていた」とコメント。走者の1人Calebさんは「コンピューターの前に座って登録しただけだったのに、こんなに貴重な経験ができるなんて」と感慨深げに話した。
ユニホームはジャケット、パンツ、帽子、赤いミトンのセットで、Hudson’s Bay Companyが製作を担当した。「平和と希望」を象徴する白を基調として左袖全体を鮮やかな青と緑で彩り、バンクーバーからウィスラーまでの冬景色をイメージしたデザインとなっている。
聖火は10月30日、BC州ビクトリアを出発した後、106日間をかけて約45,000キロのルートを約12,000人の走者がつないで、来年2月12日にバンクーバーに到着する。