バンクーバー五輪メダルデザインを発表-「世界で一つだけのメダル」に

バンクーバー冬季五輪のメダルデザインが10月15日公開された。(写真提供:VANOC)

バンクーバー冬季五輪のメダルデザインが10月15日公開された。(写真提供:VANOC)

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 2010年冬季五輪開幕まで120日となった10月15日、バンクーバーオリンピック組織委員会(VANOC)は選手たちに授与されるメダルのデザインを発表した。

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 オリンピックメダルは直径100ミリの円形で、厚さは6ミリ。パラリンピックメダルは幅95ミリの丸みを帯びた四角形。重量は500グラム~576グラムで、これまでで一番重いサイズとなる。波打つような立体的デザインは、これまでのメダルになかった斬新なもので、オリンピック会場から臨む水辺の波の形や、降り積もる雪、美しい山並みの様子をイメージした。

 メダルの表側には、オルカ(シャチ)とカラスをモチーフにした先住民アートと五輪シンボル、裏面には大会名(英語・フランス語)、大会ロゴ、競技名が刻まれている。首にかける青いシルクのリボン部分には、白色で同大会のモットー「With Glowing Hearts/Des plus brilliants exploits(熱く燃える心で)」と大会ロゴをあしらった。

 メダルのデザインには、世界中から集まった48の応募案の中から選ばれた、カナダ先住民アーティストCorinne Huntさんと工業デザイナーOmer Arbelさんの2人が携わり、バンクーバーの鉱物資源会社Teck Resources Limited、カナダ造幣局、VANOCデザインチームの協力の下、2年がかりで完成にこぎ着けた。

 「美しくて強い海の生物オルカは、常に集団の中にいる。オリンピック選手たちもチームメートと協力しながら、国という集団を代表して競技に参加しているところにつながるものを感じた」と話すCorinneさん。「困難に負けず乗り越えていくパラリンピック選手たちの姿勢が、カラスの力強い翼と知恵を働かせて目の前の問題を解決していく姿に重なった」とメダルのデザインに込めた思いを語る。

 Corinneさんが描いた大型のデザイン画2枚の中から一部分を切り取って、1枚ずつのメダルに配してあるため、全く同じ模様のものはなく、それぞれが「世界に一つだけのメダル」になっている。選手たちには、自分のメダルが絵全体のどの部分に当たるかが分かるように、デザイン原画をプリントしたシルクのスカーフも贈呈する。

 オリンピックメダル615個、パラリンピックメダル399個の製造に使用した金属は金2.05キログラム、銀1,950キログラム、銅903キログラム。不用になった電化製品からの再生金属も使用した。

 VANOCのJohn Furlong最高経営責任者は「オリンピックやパラリンピックのメダルは、選手たちの夢がかなったことを表す最高のシンボル。長年にわたる努力と苦労が報われた証拠であり、子どもたちに夢を与え、国全体に活気をもたらす力を持っている」と話し、「メダリストたちを祝福し、バンクーバー冬季五輪がどんなに素晴らしいイベントだったかを語ることができる、カナダ独自の美しいデザインのメダルが完成した」とプロジェクトにかかわった関係者の労をねぎらった。

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