さまざまな省エネ機器を取り入れた新エコ住宅会社「Cascadia eco homes」(14511 Steveston Hwy., Richmond, TEL 604-241-1337)がバンクーバーで設立され、11月13日、一般とメディア向けのオープンハウスが開かれた。
同社は日本をはじめ世界各国から、優良、低コストの省エネ機器各種を輸入販売、既存や新築家屋のエコ化を実現する。中でも力を入れて販売するのは福岡市のアニーグループが開発する「光冷暖システム」。マイナスイオンや遠赤外線を放出する聖石の効力で体感温度をコントロールする同システムは、冷暖房にかかる電力消費量を従来の約4分の1から5分の1に抑えるという。
同システムは室内に設置し、7度~45度の水を流し込むラジエーターを利用する。ラジエーターの表面と、壁、天井、ドアなどに塗り込んだパウダー状の聖石から発する光エネルギーが共鳴し合い、室内にいる人の体感温度を一定に保つことができる。岩盤浴店も経営するアニーグループが数種類の石をブレンドして開発した「聖石」は、その発する光エネルギーによって温度を一定に保つという特性を持つ。従来の冷暖房のように送風式ではないため、「室温にムラがなく快適」「ほこりが出ないので衛生的」「消費電力が少ないので経済的」などの利点があるという。
同社ディレクターの吉武政治さんは「時代は地球温暖化防止にシフトしているが、カナダは一人当たりが排出するCO2の量では世界ワースト2位というのが現状。(中でも)家庭から排出されるCO2の60%以上はスペースヒーティングが起因しているのに改善は進んでいない」と話す。「日本で光冷暖システムの素晴らしさを体感し、エコ意識が強いカナダで広めようと思ったのが起業のきっかけ」とも。
システムは一戸建て住宅から、コンドミニアム、オフィスビルなど幅広く設置が可能。同社では太陽光発電のソーラーパネル、窓ガラスの遮熱性能を上げるガラスコートなども取り扱い、「究極のエコで健康な住宅の実現を目指す」(吉武さん)。光冷暖システムの設置料金は部屋の広さ、天井の高さなどにより異なる。