バンクーバー市内各所で10月6日から、「Japanese Poets North of the 49th(JPN49)」によるポエトリーイベントが開催される。
ポエトリーイベントでコラボレーションする高山宙丸(そらまる)さん、桑原滝弥さん、Steve Frostさん
JPN49は、「カナダと日本を詩でつなぐ」をコンセプトにバンクーバー在住の詩人、高山宙 丸(そらまる)さんが主宰するポエトリー・コラボレーション・プロジェクト。プロジェクト名は、アメリカとの国境線、北緯49度線以北にあるカナダのことを指す別名「North of the 49th」に由来し、「日本の詩人をカナダに呼ぶこと」を表す。日系カナダ人の詩人で小説家でもあるJoy Kogawaさんの生家を運営するHistoric Joy Kogawa House SocietyとFrank H. Hori Foundation、カナダ芸術評議会の支援を受け、構想から1年をかけて実現にこぎ着けた。
高山さんが東京でのポエトリーツアー中に意気投合した「孤高の詩人」、桑原滝弥さんが1回目のゲストとして来加し、バンクーバーのアーティストグループ「TASAI(多彩)」創設者のSteve Frostさん、高山さんと共に、日本語学校でのワークショップ(8日13時~)やHistoric Joy Kogawa Houseでのレセプション(11日19時~)、バイリンガルで楽しめる新しい形のポエトリーリーディング(6日20時~、8日15時~、13日19時~)、旧日本人街パウエル通りエリアに関するアートとポエムパフォーマンス(15日)などのコラボ企画を行う。
高山さんは「滝弥さんの破天荒なパフォーマンスと、それに自分がどう絡んでいくかを楽しんでほしい。誰もが楽しめる物語風の作品で、アートとエンターテインメントをつなげるよう意識して、カナダにおける日本人のあり方を表現したい。(滝弥さんとのコラボを通して)日本で活躍している日本の詩人の視点をバンクーバーの人たちに楽しんでもらえれば」と話す。
桑原さんについて、Steveさんは「とても楽しく面白い人であると同時にシリアスな部分も持ち合わせた詩人で、どんな状況にも柔軟な対応ができて新しいことに挑戦することを恐れない人。今回自分たちにとって初めてのことだらけのプロジェクトなので、成功させるためには、試行錯誤しながら一緒に『和』を追求することが重要になってくることを考えると、彼以外に最適なゲストはいない」と称賛する。
「うれしいことも悲しいことも、あらゆる体験すべてが自分自身や自分たちの住む町を作り上げており、それらが織りなす『ストーリー』をうまく伝えることができるのが詩人だと思う。詩は、言葉や文化の違いの壁を越えて人と人をつなげることができる」と詩の世界の魅力を語るSteveさん。「日本語の勉強をしている人たちにとっては、テレビや映画を英語字幕付きで見るのとはまた違う生の日本語に触れる良い機会だと思う」と来場を呼び掛ける。
パフォーマンスは字幕付きで、パントマイムの表現なども取り入れる。チケット料金は1枚=10カナダドル、3枚=27カナダドル。ウェブサイトで販売する。同イベントは今月15日まで。