スピードスケート「世界距離別選手権」で連日盛り上がる「Richmond Olympic Oval」(6111 River Rd., Richmond)では、会場内に迷い込んだ珍客「フクロウ」の救出計画が、選手たちの熱戦とともに同時進行している。
同会場スタッフが、「Orphaned Wildlife Rehabilitation Society(O.W.L.、野生動物リハビリテーション協会)」の鳥類専門家Rob Hopeさんに対応について相談。「(迷い込んだのは)おそらくメンフクロウ。安全に保護するには会場が広すぎるので、大会開催期間中は様子を見るようアドバイスを受けた」(John P. Millsリッチモンド・オーバル総支配人)。
リッチモンド市広報担当のTed Townsendさんは「多分、これまで行われたいくつかのイベント開催中に、長時間開放していた搬入口から入ってきたのだろう。今大会終了後、リンクの氷を溶かすときに会場周辺のドアを開け放って、フクロウが自分で外に出てくれたらいいが、そうでなければ、何らかの方法で誘い出して自然に帰してやりたい」と話す。
フクロウも観戦する週末の会場は、各国の国旗を振りながら選手たちに声援を送る3,500人以上の観客であふれ、中でもオレンジ色のシャツや帽子などを身に着けたオランダ人の応援団は、ひときわ大きな歓声を上げて注目の的となった。
「オレンジ集団」の中には、日本の国旗を振って応援するオランダ人ファンToon Vander Stappenさんの姿も。岡崎朋美選手のファンクラブ代表としてはるばるオランダから駆けつけたToonさんは「オランダ全体で80人近くメンバーがいる。1994年のW杯会場で、ヨーロッパの選手にばかり声援が集中して日本人選手が出場するレースでは会場が静まり返っていた。せっかく世界の舞台で戦っているのに選手たちが気の毒だと思い、友人に声をかけてOkazakiを応援し始めた」と同選手との出会いを振り返る。
富士急ハイランド内の常設博物館「岡崎朋美メモリアルFUJIKYU SKATERS’ MUSEUM」(山梨県富士吉田市)にも行ったことがあるというToonさん。「初めて出会ってからもう15年も経つのに、まだ現役で頑張っていることは素晴らしい。明日も大きな声で応援するので、全力を尽くしていつもの『朋美スマイル』を見せて」とエールを送る。
大会3日目となる14日、日本勢では、女子1,000メートルの吉井小百合選手が5位、女子5,000メートルの穂積雅子選手が6位と健闘。大会最終日(15日)には、男女500メートルと団体追い抜きが行われる予定。日本人選手のさらなる活躍に期待が掛かる。