バンクーバーのスタンレーパークなど市内各所で9月19日、がんのチャリティーイベント「Terry Fox Run(テリー・フォックス・ラン)が行われた。主催はThe Terry Fox Foundation。
1981年より毎年開催されている同イベントは今年で30周年を迎えた。現在、北米、ヨーロッパ、アジア、中東、アフリカなど世界各地で行われ、現在までに集められた資金は5億カナダドルを超える。
テリー・フォックスさんはBC州で育ち、18歳のときに骨肉腫により右足を切断。がん治療研究への資金収集を目的にカナダ大陸横断を始めるが、開始143日後にガンの転移により中断した。テリーさんの死後、遺志を受け継ぎ同イベントが毎年開催されている。テリーさんには最年少でカナダ勲章が授与され、多くの道路や建物、公園にテリーさんの名前が付けられるなどカナダの国民的英雄として知られる。
当日は小雨の中、約700人が参加。同イベントは競争を目的としていないためタイムの計測はなく、3キロか10キロのコースを徒歩または走って参加。自転車、車いす、ベビーカー、ローラーブレード、犬同伴の参加も可能。バンクーバーから家族5人で参加したMarlon Estrellaさんは「今回の参加は初めて。子ども2人が乗ったベビーカーを押しながら走ったので疲れたが家族みんなで参加できてとてもいい経験になった」と話した。
開催30周年となる今年はアディダスカナダと同団体のコラボにより「30周年記念靴ひも」(5カナダドル)を販売。靴ひもにはテリーさんが走った代表的な都市名がプリントされており、サイトかカナダ国内のアディダスで購入できるほか、30周年を記念し、テリーさんがカナダ横断時に使用した靴のレプリカ「Orion TF」に2010年冬季オリンピック・パラリンピックメダリスト28人がにサインしたシューズのオークションを9月7日から開催している。
同団体への寄付はオンライン、電話、郵便で随時受け付けている。