「FIFA女子ワールドカップ」の開幕を2日後に控えた6月4日、FIFA大会事務局はウェスティンベイショアホテル(1601 Bayshore Dr. Vancouver)で開幕記者会見が行われた。
一連の汚職疑惑で揺れている国際サッカー連盟(FIFA)。同日の記者会見も当初予定されていたバルク事務局長が欠席するなかでの開催となった。出席したのはFIFA初の女性理事であるリディア・ヌセケラ理事、カナダサッカー協会のビクター・モンタリアーニ会長、バレンティン広報部長など。
会見は広報代表が「今大会に関する質問のみに限定」と伝えたにもかかわらず、開始から汚職関係に質問が集中。「女子サッカーの話をしましょう」と広報部長が何度も念を押す場面が見られた。捜査の行方が注目されるバルク事務局長の欠席理由については、「スイス本部に重要な要件があるためチューリッヒに残った」と説明するにとどめ、先日辞任を表明したブラッター会長に関しては、「今大会への出席は未定だが大会終了までには確定させる」とした。
「カナダ大会開催にあたって不正はなかったのか」との質問にモンタリアーニ会長は「もちろん無い」と即答。「ジンバブエが(立候補を)取りやめたので開催地に立候補したのはカナダだけだった」と説明。質問がモンタリアーニ会長とも親しく、先日起訴されたウェッブ副会長に及ぶと「彼の人種問題への功績やFIFAでの働きは尊敬に値する」とし、「不正は許されることではないが、疑惑が真実ではないことを願っており彼の家族のために祈る」と返答した。
スキャンダルが今大会に及ぼす影響については、「チケットの売り上げを見ても無いと言える。(スキャンダル後の)最初の大きな国際大会が女性の大会であるという事実に意味を感じる。純粋な競技である女子サッカーは今広がっている闇を照らす光になるだろう」(モンタリアーニ会長)と期待を込めた。
FIFAで女性初の理事でもあるヌケセラ理事は「全ての女子ワールドカップは女性の試合技術が向上したことを示す良い機会。出場する24カ国の選手たちの今までの努力の成果を見ることができる」と期待を寄せ、「女子サッカーの発展とカナダ大会の成功は、多くの女性や少女がサッカー選手になる後押しになるだけではなく、審判やコーチ、協会関係者、そして将来は会長にまで女性が進出する励ましになると確信している」と今大会の意義について話した。
大会は6日、エドモントンでのカナダ対中国戦で開幕。バンクーバー会場では8日カメルーン対エクアドル戦、続いて日本対スイス戦が初戦となる。チケットはチケットマスターが販売する。