バンクーバーでピアノリサイタル-盲目のピアニスト桑原良恵さんら演奏

鳴り止まない拍手に、手を挙げて応える桑原良恵さん。

鳴り止まない拍手に、手を挙げて応える桑原良恵さん。

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 バンクーバーのUBC School of Music Recital Hall(6361 Memorial Road, Vancouver)で11月9日、体に障害があるピアニストによるピアノリサイタル「Unheard Notes」が行われた。NPO法人日本障害者ピアノ指導者研究会が主催する。

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 リサイタルは、来年9月にバンクーバーで開催される「第2回ピアノ・パラリンピック」に向けた紹介コンサートであり、カナダはモントリオールからRaoul Sosaさん、日本からは桑原良恵さんが出演した。

 冒頭、主催する同研究会会長の迫田時雄さんは、第1回ピアノ・パラリンピック発祥の地であり、バンクーバー市と姉妹都市である中田宏横浜市長からのメッセージを紹介し、バンクーバー市からはサム・サリバン市長が同パラリンピックの協力と成功を祈るスピーチを行った。

 その後、手足や耳に障害があり、指のリハビリのために7歳でピアノを始めたという盲目のピアニスト桑原さんが登場し、幻想曲「さくらさくら」、ドビュッシーの「アラベスク第1番」、ショパンの「ノクターン第20番」を演奏。演奏後は何度もお辞儀をして、観客からの鳴り止まない拍手に応えた。

 事故で右手が不自由になり、左手のみで演奏をするピアニストRaoulさんは、バッハの「シャコンヌ」、スクリャービンの「プレリュード」、モシュコフスキーの「6つのエチュード」を左手だけで力強く演奏した。観客の1人Mary Anneさんは「バンクーバーがパラリンピックのホスト国になるなんて誇らしい。2人のピアニストの演奏は、感動して言葉にならない」と話す。

 迫田さんは「障害があっても指導の仕方で才能を豊かに伸ばすことができる。すでに世界各国から参加したいという声もあり、バンクーバー大会に向けて30カ国から200人以上の参加を実現したい」とし、「パラリンピックというと競技のように思われるが、参加者がどのように工夫して演奏し、努力しているかを見てもらいたい。活動は世界各地で続けていきたい」と意気込みを語る。

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