冬季パラリンピック、男子クロスカントリー10キロクラシカル立位で3月18日、新田佳浩選手が日本初の金メダルを獲得し、同日行われたアルペンスキー男子座位では、森井大輝選手が銀、狩野亮選手が銅メダルを続けて勝ち取った。
晴天の中、スタートギリギリまでワックスを調整し、26番目にスタートを切った新田選手。30秒前に走り出したフィンランドのイルカ・トゥオミスト選手を2キロ過ぎで追い抜いた。「いつもは追いかけられることが多かったが、今日はイルカ選手に追いつくのが目標だった」と話す。自分のリズムを保ちながら2.3キロ時点からゴールまで1位の座を守り抜き、安定感のあるレースを見せた。
同会場で行われたフラワーセレモニーでは、日本選手団の仲間やコーチらから「新田」コールが沸き上がり、日の丸と共に万歳で勝利を祝った。「ホッケーやアルペンががんばっていたので、クロスカントリーもしっかり盛り上げて行きたいと思った。何とかしたかった」と新田選手。海外のテレビ局からも取材が殺到し、カメラの前で「最高!」と満面の笑みで叫ぶ光景も。
今後については、「僕はあくまで『チャレンジャー』。今の立場を忘れ、初心に帰ってやれば結果に繋がると思う」。
夢は障害を抱えている小中学生に「パラリンピックをめざしたい」と思わせること。「僕ら選手が、子どもたちにそういった環境を作らなければいけない」と強い思いを込めて話した。
20日の男子リレーと21日のスプリントにも期待が高まる。